お母さんに「〇〇もっと明るく大きな声でお礼を言いなさい」と怒られた。僕のお母さんは、普段はすごく優しいけど、そういう所は厳しい。いつもかばってくれるおばあちゃんが「まあ、まあ、〇〇は、ありがとうとちゃんと言ったし、今日は〇〇の誕生日なんだから、そんなに怒ることじゃないよ」と言ってくれた。
僕は、なんかもやもやとした気持ちを抱えたまま、布団に潜りみ、今日一日を振りかえり、心の中で『お母さん、さっきはごめんなさい。でもね、お母さんだけじゃなくてみんなに言うね、僕はもう10歳なんだから、【ひなちゃん】っじゃなくて、【ひなた】と呼んで。それが今の僕にとっては一番うれしいことなんだよ』と叫んだ。
言うのが遅くなっちゃたけど、僕の名前は『日向』男の子でも女の子でもある名前で、僕のことを、みんな、ひなちゃんと、赤ちゃんの頃と変わらず呼ぶのが、今の僕の一番の悩みで、10歳になってもそれは変わらなかった・・・うれしいどころか、涙が出てきた。ずっと欲しかったデロリアンのレゴを泣きながら見ていると、いつの間にか眠りにつき夢を見た。
大好きな僕の家族の声が聞こえた。僕の20歳の誕生日を祝ってくれている。
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